スーパーカブC125は
峠道でもそこそこ楽しめる
スポーティーさを
兼ね備えているのですが
ちょっとエンジンを回したり
上り坂を上っていると
クラッチが滑ります。

過走行の車両では
クラッチプレートや
フリクションプレートなどの
劣化も考えられますが
調べてみると
クラッチスプリングが
原因のようです。

 

125ccのカブ系エンジンはクラッチスプリングが弱い?

実をいうと同じ症状が
JC92のグロムでも
見受けられたので
まずはグロムで試してみました。

強化クラッチスプリングを
取り付けてみたところ
コストも作業もお手軽で
効果抜群だったので
スーパーカブC125にも
強化クラッチスプリングを
取り付けてみようと思いました。

ノーマルエンジンであれば
30%ほどのスプリング強化で
クラッチ滑りは治まるようです。

 

クラッチスプリング交換に必要な工具など

グロムで予行演習、
効果を確認できたので
スーパーカブC125にも
強化クラッチスプリングを
取り付けていきます。

グロムの
強化クラッチスプリングは
i-Factory製を選びましたが
スーパーカブC125には
キタコ製を選びました。

スプリングの色が黒なので
特別感はありませんね・・・

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他に必要なものは
クランクケースカバーの
ガスケット

純正品番:11394-KYZ-900
ガスケット,R.クランクケースカバー

 

ロックワッシャーも一緒に
手配しましょう。

純正品番:90431-GN5-910
ワッシャー,ロック

 

あと、特殊工具が必要です。

  • センターロックナットレンチ
    20・24mm
  • クラッチセンターホルダー
  • ネジロック

センターロックナットレンチは
社外品があって
手に入りやすいですが
クラッチセンターホルダーは
ホンダのお店で
手配してもらう必要があります。
なお、ウェビックでは
手配できませんでした。

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クラッチセンターホルダー品番
07724-0050002

私は今回手持ちの
ユニバーサルホルダーで何とかしました。

 

クラッチスプリング交換作業の難易度は高め

クランクケースカバーを
取り外すには
ステップ、マフラー、
サイドスタンドを
取り外す必要があります。

私は他にも作業があったので
レッグガードを取り外しましたが
外さなくてもなんとかなりそうです。

 

ただ、レッグガードが
ついたままだと
工具は入りにくそうです。

 

サイドスタンドには配線があって
ステップに取り付けられていますので
サイドスタンドも外します。

 

ブレーキペダルは
外さなくても良いですが
アジャスターナットを緩めて
スプリングを外して
下に下げておきましょう。

 

ケースカバーのボルトを緩める前に
オイルを抜きましょう。

 

オイルが抜けたら
ケースカバーのボルトを
外しましょう。

対角線上にボルトを
緩めていくのが良いです。

 

ボルトはすべて同じ長さなので
位置を記録しておく必要は
ありません。

 

ゴムハンマーで
軽く叩きながら外します。

外れた時にもオイルが出てくるので
下にはトレーを置いておきましょう。

 

 

外れたと同時に
何かがオイルトレーに
落ちました。

遠心クラッチ用のパーツです。

  • クラッチカムプレート
  • レバーASSY
  • スプリング
  • クラッチリフタープレート

この4つのパーツが
落ちているはずです。
なくさないようにしましょう。

 

左側がクラッチ
右側が遠心クラッチ兼
オイルの遠心クリーナーです

 

ボルトを均等に緩めておきます。
少し緩めるだけでよいです。

 

ワッシャーを挟もうとしましたが
うまく挟まらず
1速にギアを入れて緩めました。

 

遠心クラッチを外さないで
クラッチスプリング交換が
出来ないものかと試しましたが
結果はダメでした。

クラッチリフタープレートは
割れやすいそうなので
無理はしないようにしましょう。

 

遠心フィルターのフタを外します。

くるくる回るので
ユニバーサルホルダーを
使いましょう。

 

センターロックナットは
カシメがついているので
爪をおこしておきます。

 

ユニバーサルホルダーをかけて
ロックナットレンチで
センターナットを緩めます。

 

遠心クラッチの
インナーが外れました。

 

ガスケットを外すと
遠心分離された汚れが
溜まっているので
清掃しておきましょう。

 

ストレーナーにも
多少ゴミがついていたので
洗浄しました。

 

クラッチリフターの
ベアリングを抜き取ります。

特殊な工具は必要なく
指を突っ込んで
まっすぐ引っ張れば抜けます。

 

ロックナットが顔を出します

 

クラッチの固定には
ユニバーサルホルダーが
ギリギリ届きました
本来はクラッチセンターホルダー
を使って外します。

 

遠心クラッチとクラッチを
一緒に抜き取ります。

 

外れました。
クラッチのロックナットの下には
ワッシャーが入っているので
なくさないようにしましょう。

 

クラッチリフターのボルトを
均等に緩めて外しましょう。

均等に緩めないと
壊れてしまう可能性があります。

 

強化クラッチスプリングに
交換します。

キタコのクラッチスプリングは
3本で30%up、6本で60%up
となっています。

今回は30%upにしたいので
ノーマルと強化スプリングを
交互に組み込みます。

キタコの説明書には
特に指示はありませんでしたが
グロムの強化スプリング装着時は
ボルトのついている部分へ
強化スプリングを配置するように
と指示があったので
今回もそうしました。

 

ボルトを締める時も
均等に締めましょう。

この時点でトルクを
かける必要はありません。

 

クラッチ・遠心クラッチ取り付け

車体にクラッチと
遠心クラッチを戻して
トルクをかけます。

クラッチのセンターロックナットは
64N・m

クラッチスプリングは
12N・m

 

ベアリングも
忘れずに戻します。

 

遠心クラッチの
インナーも戻します。

 

ロックワッシャーは
新品交換すべきですが
手配を忘れたので再利用します。

カシメてあった部分を
切り取りました。

切り欠きがあるので
溝に合わせて取り付けます。

 

ワッシャーはOUT SIDEの
表記がある方を表側にして
組み込みます。

 

ロックナットの
締め付けトルクは
64N・mです

 

ロックワッシャーの
爪を曲げます。

 

フィルターカバーのボルトは
ネジロックを塗布して
5N・mで締め付けます。

 

クラッチカム・レバーの取り付け

クラッチと遠心クラッチの
取り付けが終わったら
はじめにオイルの中へ
ダイブした部品
クラッチカムを取り付けます。

 

はじめに落ちなかった
こっちのパーツは
クラッチレバーという部品です。

クラッチカムと連動しています。

 

これには合わせ位置があるので
注意しましょう。

車体側のシャフトにある線印と
クラッチレバーの点印を合わせます。

 

クラッチカムは
パーツリストで確認すると
下の図のように
組み合わさっていました。

 

図の左端にあるのは
クランクケースについている
クラッチ調整用のシャフトでした。

ナットを緩めて取り外します。
下にワッシャーとOリングがあるので
なくさないようにしましょう。

 

全部重ねるとこんな感じです。

 

スプリングの上に重なる
ボールリテーナーという部品の
表裏に気をつけましょう。
凸のある方がスプリング側です。

 

これをバラバラにならないように
そーっと車体に・・・とりつけても
すぐに落下してしまいます。

 

どうやら本来は
エンジンをおろして
横倒しで組み付けるようです。

でも面倒なのでw
車体をできるだけ倒して
組むことにしました。

私はグロム用に
レース用のサイドスタンドを
持っていたのでこれを使いました。

 

これをセンタースタンドの
端っこにひっかけて・・・

 

できるだけ短く調整しました。

 

かなり斜めにできました。

後で気づきましたが
フロントブレーキを
レバーロックやゴムなどで
かけておいた方が良いと思います。

手伝ってくれる人がいる人は
斜めの状態で
支えてもらいましょう。

 

落ちなくなりました。

 

古いガスケットを除去します。

 

新しいガスケットをつけて
ゆっくりカバーを取り付けます。

 

ちゃんとケース側に
シャフトが入っているか
心配だったので一回外して
確認してみます。

大丈夫ですね。

 

本番!?
そーっとエイヤー!

 

オイルフィラーから覗いてみて・・・
わからんけど大丈夫でしょw

 

ケースカバーボルトは
10N・mで締めます。

 

エンジンオイルを入れて、

クラッチの調整も忘れずに
やっておきましょう。
(私は忘れていましたw)

クラッチの調整の記事
>>https://www.supercub-c125.com/clutch/

 

試走してみると
クラッチ滑りは起きていません。

変速時のショックは
少々強くなりましたが
不快なレベルではありません。

作業は難易度高めですが
おすすめのカスタムです。